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「アヴェ・マリアの祈り」、聖書のルーツをもつキリスト中心のお祈り

天と地の驚嘆  わたしはカトリックの家庭で育ち、家族全員が一緒にロザリオを祈る習慣がありました。また、小学校から高校まで通っていた各カトリック学校でもロザリオを祈る機会が多かったため、小さい頃から馴染んできたお祈りです。  ロザリオの中で唱えられる「アヴェ・マリアの祈り」の前半は、天使ガブリエルと聖エリサベトがおとめマリアに向けた言葉から取られています。自分の洗礼名がガブリエルだからか、小さい頃からこのお祈りに特に親しみを感じています。  聖母マリアについてのお祈りだとずっと思っていましたが、何年も後に、聖ヨハネ・パウロ二世の 使徒的書簡「おとめマリアのロザリオ」 (2002/10/16” Rosarium Virginis Mariae ”) を読んだことで、深い感銘を受け、このお祈りについての理解が深まり、祈り方も大きく変わりました。  「アヴェ・マリアの祈り」は一見、主に聖母マリアについてのお祈りのようで すが、実はキリスト中心のお祈りです。このお祈りはわたしたちの注意をイエス・キリストに向けることを果たしています。聖ヨハネ・パウロ二世はこう強調します、「『アヴェ・マリアの祈り』の繰り返しが、直接マリアに向けられているが、彼女と共に、彼女を通して、愛の祈りがイエスに向けられることになるのです」(「おとめマリアのロザリオ」、26 項) 。 アヴェ、マリア、恵みに満ちた方、 主はあなたとともにおられます。(ルカ1 ・28 を参照) あなたは女のうちで祝福され、 ご胎内の御子イエスも祝福されています。( ルカ1 ・42 を参照)  この天使ガブリエルと聖エリサベトがメシアの母に向けたあいさつのことばは主におとめマリアに焦点を当てているのではなく、彼女の胎内での御子の受肉の神秘をめぐる「天と地の驚嘆」(「おとめマリアのロザリオ」33 項を参照)に焦点を当てているのです。  天使ガブリエルは聖母マリアが生まれるずっと前から存在していました。彼は世界創造の前から、全能の神に仕え、聖なる、無限の神を賛美し、崇拝してきました。ある日、彼がこの全能の神のもとから、小さな地球にあるナザレと呼ばれる小さな町の一人のおとめ のもとに遣わされました。天使ガブリエルは、彼と万軍の仲間天使たちが世界創造の前から崇拝して