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聖母マリアの初聖体

 御聖体を拝領する前に、私たちは沈黙の内に各々の心の中で祈り、相応しい心の準備をします。自分の場合、最後に「アヴェ・マリアの祈り」を祈り、それから御聖体の秘跡に与ります。これは別に子供の頃からの習慣でもなければ、誰かにそうしなさいと言われたからでもありません。  いつからそうしているかは正確に覚えていませんが、回勅『 教会にいのちを与える聖体 』(2003/04/17 “ ECCLESIA DE EUCHARISTIA ” )の中で、聖母マリアにとって、その初聖体にはどのような意義があったのかを思いめぐらした教皇聖ヨハネ・パウロ二世の考察を読んでから深い感銘を受け、御聖体拝領の直前に「アヴェ・マリアの祈り」を祈るようになりました。なぜなら、聖母マリアはいつも私たちの注意を主イエス・キリストに向けさせておられるからです(2019/09/25 「 『アヴェ・マリアの祈り』、聖書のルーツをもつキリスト中心のお祈り 」参照)。   初めてミサに与る聖母マリア    聖母マリアの初聖体がいつ行われたかは誰にもわかりませんが、その瞬間のマリア様を想像してみましょう。エルサレムかガリラヤのどこかで、使徒の一人がエウカリスチア(感謝の祭儀・ミサ)のいけにえを捧げています。主イエスの最初の弟子たちの多くが集い、マリア様もそこにおられ、初めてミサに与ります。  マリア様は「最後の晩餐」におられませんでした。主イエスがその夜、使徒たちに命じられたこと、すなわち、パンとぶどう酒を取り、ご自分の御体と御血を捧げ、そして、「私の記念としてこのように行いなさい」(ルカ福音書22章19)と言われたことを、マリア様が使徒たちから聞かされたのでしょう。今、マリア様は初めてこの御聖体の聖なる秘儀に与ります。  使徒たちがパンとぶどう酒を取り、「これは私の体…これは私の血…」と言っているのを見ながら聞いているマリア様を想像してみてください。それから、御聖体を拝領しているマリア様の様子を想像してみてください―自ら産み育てた我が子の御体と御血が、再び自分の中に宿っておられるのです! 教皇聖ヨハネ・パウロ二世の2つの主な洞察  聖ヨハネ・パウロ二世はまず、自らの胎に主イエスを身ごもる聖母マリアと、御聖体を拝領する人との間にある深遠な繋がりについて思い巡らされます。ある意味で、御聖体を拝領するたびに、私たちはマリ